生きがいとマネジメント

4月になりずいぶん暖かくなりましたね。年度のはじまりにあたり、新しい取り組みを始める方も多いのではないでしょうか。

新しいことを始めるということは、今までとは異なることにチャレンジすることなので知らなかったこと、やってみて初めてわかることにたくさん遭遇し、楽しみもありますが不安になることも多いですね。

この不安を解消し、成長するきっかけにするためにはどうしたらよいでしょうか。

それは、これからチャレンジすることに「生きがい」を見出すことです。

生きがいとは

生きがいとは、何かをしている時に生きていることに幸福感を感じる対象のことです。

2つの幸福

では、幸せとは何でしょうか。幸せとは何かめぐりあわせがよいと感じ気分がよくなるそんな自分が肯定的に感じる心理的なものですね。心理学では2種類の幸せが定義されます。

1. 一時的幸福

お酒を飲んだり、買い物をしたり、ごちそうを食べたりなど、何か主に物質的なものを通じた行為から得られる一時的な快楽を快楽的幸福(Hednic Happiness)と呼びます。

2. 持続的幸福 

一方で個人的な欲求よりも、社会的に意義のある目的、そして人とのつながりを通じて得られる持続的な幸福感をEudiamonic Happinessと呼びます。

生きがいとは持続的な幸福

自分がすべき意義ある目的、持続的幸福をいきがいとすることで、長期にわたり幸福感が得られます。

意義ある目的とは

意義ある目的の設定が複雑化する現代において特に重要となります。なぜならば、この設定を間違えると良心から行ったことで、社会を悪させてしまうことが多いからです。では、現代においてどのような視点で意義ある目的を設定したらよいでしょうか。持続可能な社会実現のためには、社会、環境、経済のすべてが向上ことを目的とし、そのために具体的に何をすべきかが見つかれば、それが「生きがい」になります。

生きがいと働きがいの調和

私たちの多くが寝ている時間を除くと一日の半分以上を仕事に充てています。携わっている仕事に生きがいが見いだせれば、幸福感を得ながら一日過ごすことができますし、「朝起きる理由」にもなります。では、どのように生きがいと働きがいを調和させることができるでしょうか。そのためには2つの面からアプローチすることが有効です。

1. 生きがいが自ら見出すもの

生きがいは、待っていて見つかるものではありません。自ら見出すものです。どんな仕事にも工夫をすることで生きがいを見出すことができます。そうすることで業務の改善にもつながります。

2. 経営者の支援

組織の経営者は、まず会社のビジョン(意義ある目的)を社員と共にみなの生きがいを含めて社会、環境、経済にどのように貢献するかを具体的に考え皆で1枚の絵を描きます。その上で、社員それぞれの生きがいを理解し、組織での働きがいに繋がるように支援します。

組織と個人の夢の実現

社員は会社のビジョンの中に自分の生きがいを見出し、組織は社員の生きがいを支援することで、互いの信頼関係とモチベーションの向上が期待できます。

後世に何を遺せるか

いままで、私たちのものによる快楽的幸福を満たすために資源を使い物的欲求を満たすこと利便性を追求することで、現代のような複雑な課題を背負う世の中にしてしまいました。この状況を踏まえ後世に何を遺すべきか、個人、組織として何ができるかを考えるとよいと思います。(後世への最大遺物

春になり、新たな自然の息吹を感じる季節になりました。組織のビジョンと個人の生きがいを設定することで、春の心地よい暖かさのように安心して新しいことにチャレンジできる基盤を整えましょう。

システム思考・マネジメント

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