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永遠平和のために カントに学ぶ (その1)

21世紀になって、このような戦争が起こることは、予想していた人がどれくらいいたのでしょうか。

毎日、テレビから映し出される恐ろしい映像に子供たちが触れざるおえないことをとても悲しく思います。

なぜ、戦争がなくならないのか。

多くの方がこの単純な疑問を持っているのではないでしょうか。

今回、国境を接している隣国の出来事でもあり、経済にも影響がでていますので、この身近な出来事から発せされた問いに関して、哲学の視点から勉強し、考えてみたいと思います。

今回はNHKの教育番組「100分で名著」の「永遠平和のために」カントの4回シリーズで学んだことをお話ししたいと思います。

最近NHKは現在の国際的な問題に関連する過去の番組を夜遅い時間に再放送していますので、皆さんも確認してみてください。

この著作「永遠平和のために」は1795年書かれました。フランス革命、アメリカの独立など、封建的な国家体制から、市民社会、資本主義的社会を目指し始めた時代です。

この本はのちの国際連盟の設立に影響を与えたといわれおり、また、現在の状況をどう改善するかを考える上でも参考になりそうです。

本の冒頭で永遠平和を実現するために必要な以下の6項目を提示します。

第一条項:将来の戦争の種をひそかに保留して締結された平和条約は、決して平和条約とみなしてはならない。

第二条項:独立している国家(小国であろうと、大国であろうとこの場合問題ではない。)を継承、交換、買収、または贈与によって、ほかの国家がこれを取得できるということがあってはならない。

第三条項: 常備軍は時とともに全廃されなければならない

第四条項:国家の対外紛争にかんしては、いかなる国債も発行されてはならない。

第五条項:いかなる国家も、ほかの国家の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない。

第六条項:いかなる国家も、他国との戦争において、将来の平和時における相互間の信頼を不可能にしてしまうような行為をしてはならない。たとえば暗殺者、毒殺者を雇ったり、降伏条約を破ったり、敵国内での裏切りをそそのかしたりすることが、これに当たる。

18世紀の提唱された6項目に関して、みなさんはどう感じましたか。

桜がきれいなこの季節に、あらためて明るい未来を創造し、どうすべきか、何ができるか考える機会にしたいと思います。

次回はこの6つの条項を詳しく考えてみたいと思います。